脂漏性脱毛症の症状が軽い初期段階であれば、日々のセルフケアを見直すことで、症状の改善や悪化の防止が期待できます。専門医の治療と並行して行うことで、その効果をさらに高めることも可能です。まず、最も重要なのが「正しいシャンプー習慣」を身につけることです。シャンプーは、洗浄力が強すぎるものは避け、頭皮への刺激が少ないアミノ酸系や、抗真菌成分(ミコナゾール硝酸塩など)が配合された薬用シャンプーを選ぶのがおすすめです。洗う際は、爪を立てずに指の腹で優しくマッサージするように洗い、すすぎはシャンプー剤が残らないように、時間をかけて徹底的に行いましょう。洗髪は、原則として1日1回に留めます。洗いすぎは、かえって皮脂の分泌を促してしまいます。次に、「食生活の改善」です。脂っこい食事、甘いもの、香辛料などの刺激物は、皮脂の分泌を促進するため、できるだけ控えめにしましょう。代わりに、皮脂の分泌をコントロールするビタミンB2(レバー、卵、納豆など)やビタミンB6(マグロ、カツオ、バナナなど)、そして抗酸化作用のあるビタミンCやEを豊富に含む、緑黄色野菜や果物を積極的に摂ることを心がけてください。そして、「質の良い睡眠とストレス管理」も不可欠です。睡眠不足やストレスは、ホルモンバランスを乱し、皮脂の分泌を過剰にする最大の要因です。毎日7時間程度の睡眠を確保し、ウォーキングなどの軽い運動や、趣味の時間を持つことで、上手にストレスを発散させましょう。また、枕カバーなどの寝具をこまめに洗濯し、清潔に保つことも、雑菌の繁殖を防ぐ上で大切です。これらのセルフケアは、地道で即効性はありませんが、健やかな頭皮環境を取り戻すための、揺るぎない土台となります。