現在30代の女性です。学生時代、暑いので髪をショートにしてもらおうと美容院に行った際のこと。中年男性の美容師さんが手際よく作業をすすめていたのですが、その手が急に止まりました。「えーっと…ベリーショートは、ちょっと考えた方がいいかも…」と小声で言います。他のお客さん達に知られないよう、こっそりと合わせ鏡で「ここ、すきまがあるんだ。」と見せてくれました。
左耳の上の方に、ぽっかりと「毛のない空間」ができていました。円形脱毛症…というには少し形がいびつな、歪んだ感じでしたが、100円玉ほどのはげが出来ていました。もちろんショートにはせず、私は取り乱して帰宅しました。
一人暮らしを始めたばかりで円形脱毛症や薄毛について相談できる人が身近におらず、また頭皮やストレスに効くサプリメントを購入するのは、親に仕送りをしてもらっている以上はばかられました。トリートメントがわりに使用していた椿油を擦り込んでマッサージを続けましたが、完全に毛が復活して「すきま」が見えなくなったのは、約2年半が経過してからです。
今思えば、若さゆえの無知が症状を長引かせてしまったのだと思います。早めに専門クリニックなどへ相談へ行けば、もっとスムーズに治療が進んだのではないでしょうか。