脂漏性脱毛症は、ある日突然、髪がごっそりと抜けるというよりは、頭皮環境の悪化という前触れを経て、徐々に進行していくのが特徴です。そのため、初期症状に早く気づき、適切な対策を講じることが、症状の悪化を防ぐ上で非常に重要となります。以下に挙げるサインに心当たりがないか、チェックしてみましょう。まず、最も分かりやすい初期症状が「頭皮のベタつきとフケの変化」です。朝シャンプーをしても、夕方にはもう髪が根本から脂っぽく、ぺったりとしてしまう。そして、出てくるフケが、これまでのような乾いたパラパラとしたものではなく、指で触ると少し湿り気のある、黄色味を帯びた大きな塊である場合は、皮脂の過剰分泌が起きているサインです。次に、「我慢できないほどの強いかゆみと頭皮の赤み」も重要な指標です。特に、生え際や頭頂部など、皮脂腺が多い部分にかゆみが集中することがあります。鏡で頭皮を見てみた時に、地肌が健康な青白い色ではなく、炎症を起こして赤くなっている場合も注意が必要です。かゆいからといって爪を立てて掻いてしまうと、頭皮が傷つき、さらに炎症が悪化するという悪循環に陥ります。さらに、これらの頭皮トラブルと並行して、「抜け毛の質の変化」が見られるようになります。抜けた毛の毛根部分に、白い皮脂の塊が付着していることが多くなります。これは、過剰な皮脂が毛穴を塞ぎ、髪が抜ける際に一緒に付着してきたものです。このような初期症状は、単なる体調の変化や、使っているシャンプーが合わないだけ、と見過ごされがちです。しかし、これらのサインは、あなたの頭皮が悲鳴を上げている証拠に他なりません。一つでも当てはまる症状があれば、それは脂漏性脱毛症の始まりを疑うべきタイミングかもしれません。