脂漏性脱毛症を引き起こす主な原因
脂漏性脱毛症の直接的な引き金は、皮脂の過剰分泌とマラセチア菌の異常繁殖ですが、その背景には、私たちの日常生活に潜む様々な原因が関わっています。その原因を知ることは、効果的な予防と対策に繋がります。最も大きな原因の一つが、「ホルモンバランスの乱れ」です。皮脂の分泌は、男性ホルモンによって促進されるため、ホルモンバランスが崩れて男性ホルモンが優位になると、皮脂腺が刺激され、皮脂が過剰に分泌されます。ストレスや睡眠不足、不規則な生活は、このホルモンバランスを乱す最大の要因です。次に、「食生活の乱れ」も皮脂の分泌量に直結します。特に、脂質の多い揚げ物やジャンクフード、糖質の多いお菓子や清涼飲料水の過剰摂取は、皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌を活発にします。また、皮脂の分泌をコントロールする働きのあるビタミンB群(特にB2、B6)が不足することも、症状を悪化させる一因となります。さらに、「間違ったヘアケア」も原因となり得ます。頭皮のベタつきが気になるからと、洗浄力の強すぎるシャンプーで一日に何度も髪を洗うと、頭皮を守るために必要な皮脂まで奪い去ってしまいます。すると、頭皮は乾燥から身を守ろうとして、かえって皮脂を過剰に分泌するという悪循環に陥ります。逆に、シャンプーのすすぎ残しは、毛穴を詰まらせ、マラセチア菌の温床となります。そして、生まれ持った「体質」も関係します。もともと皮脂の分泌が多い脂性肌(オイリー肌)の人は、そうでない人に比べて脂漏性皮膚炎を発症しやすい傾向があります。これらの原因は、一つだけではなく、複数が複雑に絡み合って症状を引き起こしていることがほとんどです。自分の生活の中に、思い当たる節がないか、一度じっくりと見直してみることが大切です。