サプリメントとAGA(男性型脱毛症)治療薬は薄毛対策の選択肢ですが、目的や効果、法的位置づけが異なるため、それぞれの違いを理解して選ぶことが大切です。まず、最も大きな違いは、法的な分類と期待できる効果です。サプリメントは、法律上「食品」に分類され、栄養補助や健康維持を目的としたものです。特定の栄養素を補給したり、健康をサポートしたりする働きは期待できますが、病気の治療や予防を目的とした効果を謳うことはできません。したがって、「髪が生える」「薄毛が治る」といった直接的な発毛・育毛効果を保証するものではありません。一方、AGA治療薬(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど)は、「医薬品」に分類されます。医薬品は、病気の診断、治療、予防を目的として使用されるものであり、その効果や安全性については、厚生労働省による厳格な審査と承認が必要です。AGA治療薬は、臨床試験によってAGAに対する有効性が確認されており、医師の処方箋に基づいて使用されます。次に、作用機序の違いです。サプリメントに含まれる成分(亜鉛、ノコギリヤシ、ビタミン類など)は、主に髪の成長に必要な栄養素を補給したり、頭皮環境を整えたり、ホルモンバランスに間接的に働きかけたりすることを目的としています。一方、AGA治療薬は、より直接的にAGAの原因にアプローチします。例えば、フィナステリドやデュタステリドは、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制し、ミノキシジルは毛母細胞を活性化させ、発毛を促進します。そして、入手方法も異なります。サプリメントは、ドラッグストアやインターネットなどで比較的簡単に購入できます。一方、AGA治療薬(特に内服薬)は、原則として医師の診察と処方箋が必要です。副作用のリスクも考慮しなければなりません。サプリメントは、適切に使用すれば副作用のリスクは低いとされていますが、過剰摂取やアレルギー反応には注意が必要です。AGA治療薬は、効果が高い反面、性機能障害や肝機能障害、皮膚症状などの副作用が現れる可能性があります。違いを理解した上で、自分の薄毛の状態や目的に応じて、サプリメントかAGA治療薬、あるいはその併用を検討することが大切です。自己判断せずに、専門医に相談し、適切なアドバイスを受けることが最も重要です。
薄毛対策サプリとAGA治療薬の違いとは?