鏡を見るたびに額が広くなったような気がしたりシャンプーの時の抜け毛が増えたように感じたりして不安になることは誰にでもあります。そんな時多くの人がインターネットで検索して見つけたセルフチェックリストを試してみるのではないでしょうか。しかし素人が行う自己判断には大きな落とし穴があることを知っておく必要があります。例えば抜け毛の本数を気にする人は多いですが人間の髪は健康な状態でも一日に五十本から百本程度は自然に抜けるものです。季節の変わり目などにはさらに増えることもあります。そのため単に本数が多いというだけでAGAだと判断するのは早計であり逆に本数が少なくても細く短い毛ばかりが抜けている場合はAGAが進行している可能性があります。この抜け毛の「質」を見極めることは一般の人にはなかなか難しいものです。また生え際の後退についても判断が難しいポイントです。生まれつき額が広い人もいれば加齢によって顔の皮膚がたるむことで生え際が後退したように見える場合もあります。これをAGAによる病的脱毛と混同してしまうケースは少なくありません。逆に自分では気づきにくいのが頭頂部の薄毛です。合わせ鏡を使ったり写真を撮ったりしない限り自分のつむじ周辺を客観的に見ることは難しく自分では大丈夫だと思っていても他人から見ると明らかに薄くなっているということがよく起こります。自分の姿は毎日見ているため徐々に進行する変化には脳が順応してしまい気づきにくいというバイアスもかかります。さらにAGAだと思い込んで市販の育毛剤を使い続けていたけれど実は脂漏性皮膚炎による脱毛だったというケースもあります。この場合育毛剤の成分が刺激となって炎症を悪化させ症状を進行させてしまうリスクすらあります。自己判断の危険性は過剰な不安を抱え込んでしまうことにもあります。気にしすぎるあまりストレスが溜まりそれが原因で血行不良を招き本当に薄毛になってしまうという悪循環に陥ることも考えられます。セルフチェックはあくまで「専門機関を受診するきっかけ」程度に捉えておくのが賢明です。チェックリストでいくつかの項目が当てはまったとしても即座にAGAだと断定するのではなく「リスクがあるかもしれないから一度専門家に診てもらおう」という判断材料として使うべきです。